今振り返るとかわいいものだが
当時としては無茶もずいぶんしたし
両親に心配…いや迷惑もかけた
バイクに夢中になりクールスやキャロルをよく聴いていたが
俺は本格的にROCKをやり始めテカテカしたリーゼントをやめ
髪も伸ばし始めた
疎遠になったわけではないが年を重ねるごとに距離は広がっていたのかもしれない
それでも仲間だったことは確かだ
長髪になってきた俺の髪を先輩が引きずり回し
「オラ、こんなのが流行ってんのか!」
と凄んだ時には
あの縦社会の中「こいつ、マジ音楽やろうとしてるんです」
と三人で止めてくれた
当然のように四人ともサンドバッグのようにボコられた
すべてが終わり大の字に横たわった俺たちは立ち上がることさえできなかった
夏休みの終わりだ
二人は学校に行っていなかった
俺ともう一人は別の高校だが進学していた
そのうちの一人が
「マー坊、音楽やるんだろ 頑張れよ」
と言った
二学期が始まったが体中が痛く顔も原形を留めていなかった
三日ほど夏休みが長引いたが
四日目にバイクで登校した
帰りにいつもの友人の家に行った
四人で顔を見合せ笑いあった
それぞれがなんとなく人生の進路について考えていた
それが四人での最後の楽しい思い出だ
二人は「約束があるから」と言って出て行った
その時のバイクのエンジン音は未だに耳に焼きついている
一時間ほどして帰ろうとした矢先電話が鳴った
蒼ざめた友人が「事故った」と呟いた
二人で病院に向かった
到着した先には泣き崩れる友人の母親がいた
言葉はなかったが
その時の俺たちを見る目は忘れない
一人は即死
一人は時間の問題だと聞いた
警察官がきて俺たちは事情聴取のため連行された
取調室から出ると母親がいた
何も言わず平手で頬を張った
俺はその日からバイクに乗っていない
それから半年も経たないうちにその日一緒だった友人が退学になった
その後自動車整備工場で働いていた
なんとなく顔を見たくなりちょっと離れた所から工場を眺めていると
俺を見つけた彼はツナギ姿のまま手招きした
工場のボスに了承を得て建屋の裏にある椅子に座った
四人で最期に語りあった話になった
その日、亡くなった友人の墓前に行き手を合わせた
二人で泣いた
現実を受け入れることをその時に思い知らされた
その後一年に数回は顔を合わせていたが
ある時からぷっつりと連絡が途絶えた
今は何処にいるのか
何をしているのか誰も知らない
親の葬儀さえ連絡がとれず現れなかった
静岡の実家に帰ると弟のハーレーがある
跨いではみるがエンジンはかけない
焼きついたあの日の音は俺が生ある限り永遠だ
重症を負った彼は奇跡的に何年かして社会復帰した
あの日のことは覚えていないようだ
俺の顔を見ても「マ、マー坊か」とは言うが表情はない
20年前にその頃のことを曲にした
俺はPVでリーゼントにした
行方不明になった友人へのメッセージでもあったんだ
一度だけ電話がかかってきた
何処にいるのか
何をしているのか
口を閉ざしたまま受話器をおかれた
今年のような猛暑日が続く夏には思い出す
もしこのブログを読んで何か思いあたる人は連絡をくれ!
髪がだいぶ長くなった
あんまり暑いのでシュシュをつけてみた
写真を撮るのが…む、難しい!
首すじが涼しくて気持ちいいぜ
クセになりそう (^_−)−☆
☆鈴木正美☆
Lazy Sunday / Small Faces / The Immediate …