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2012年02月15日

銀河鉄道に乗ったチョコ 第1車両

写真.JPG
彼がスタジオワークを終え帰宅したのは23時。
曲がいい感じに仕上がりご機嫌だった彼はちょっとしたデスクワークをしていた。

シンデレラ達が姿を消す午前0時にその列車はやって来た。
見た目は999のそれではなく、60'S のアメ車のようだ。

タキシードを着ているが、車掌さんらしき人がふいに現れ、無言で彼に一通の手紙とチョコレートを渡した。

その人物は列車に戻り、曇っている東京の空から旅立とうしている。
彼は自身でもわけが分からないまま慌ててその列車に乗り込んだ。
たまに訪れる衝動とは近くて遠い感覚だ。

タキシードは呆れていたが、止めに入るような野暮なことはしなかった。

何処に行くのか?尋ねても、「終点はありません。」と答えるだけだ。

彼は手紙とチョコレートを持ったままだったことに気づき、とりあえずポケットに押し込んで1両目の扉を開けた。

いきなり、ワインの瓶を手にした男がよろけて彼にぶつかってきた。
ゲンズブールのような風貌をし、しゃがれ声で「よう兄ちゃん、選ばれたのかい?」と言っている。

意味が分からず車内を見渡すと、列車のような座席ではなくホテルのスウィートルームのようだ。

その真ん中辺りの白いグランドピアノにジョン レノンが座り、軽いタッチでイマジンを弾きながら歌っていた。
ピアノに肘をついたジャニスはそれを見ながら酔いしれている。

その手前にはジミヘンが床に座ったままギターのチューニングをし、その様子をデュアン オールマンが半笑いで見ている。
何か言いたそうだが…黙っているのが気になった。

イマジンが終わる頃に彼は隣にバディ ホリーがいることに気づいた。
あまりにもの静かで、温和なオーラに平和な気持ちになったようだ。

彼は誰の邪魔にもならないように歩を進め、そっとグランドピアノの向こう側に行った。

注意していたつもりだが、何かにつまづいた。
それは人だった…ジム モリソンらしきその人物はウ〜ッと言って寝返りをうった。

彼はポケットに手を突っ込み、手紙とチョコレートがあることを確認した。
何処か落ちついて手紙を読める場所が欲しかったが、大きなソファにはシタールを抱えたブライアン ジョーンズがシド バレットと気がふれたように笑いあっているし、その奥ではオーティス レディングが何やら歌らしきものを口ずさんでいる。

とんとん、と肩を叩かれ「どうぞ。」と声をかけられた。
ウィリアム バローズだった。
ティム バックリィに目で合図を送り、席をつくってくれた。

バローズの隣に座り封筒を開けると便箋5枚にびっしり文字が詰まっている。
その内容は、銀河鉄道に関する事だった。
一文字づつ、かみしめるように読んでいくにつれ、便箋は涙で滲んでいった。
ティムはそんな彼の背中を優しく摩ってくれた。
読み終わった便箋を封筒に戻そうとしたら、一枚のチケットらしきものが落ちた。
拾い上げよく見ると、銀河鉄道への招待状だった。
タキシードは知っていたに違いない。

ウットリするような音に振り返ると、ジミがリトルウイングを演奏していた。
みんな小さな翼を持っている、と確信したようだ。
大きく頷いた。


そして、その奥に目をやると、今入ってきたばかりなのだろう。笑ってしまうくらい大きな薔薇の花束を両手に抱えたブライアン フェリーが立っていた。
頭を抱えたいのだろう。
顔を左右に振る姿に、彼は先程の自分を重ねたようだ。

少しだけ笑い、180度回転して次の扉に向かっていった。


小さな翼をピクッと振るわせて…


☆鈴木正美☆


BGM Three Little Birds / Bob Marley & The Wailers / LEGEND


posted by MASAMI at 04:29| colum | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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