「The Velvet Underground and Nico」
のファースト・アルバムで、
ジャケットはアンディ・ウォーホールの作品です。
発売当時にはベスト100位にもランクされていません。
それが今では名盤として名高いのは不思議ですね。
商業デザイナーだった彼の視点には常に大衆が存在していたに違いありません。
ポップ・アートの始まりは50年代初頭のイギリスといわれていますが、
それでも、アートよりの傾向にあったと僕は思います。
リチャード・ハミルトン、デヴィット・ホックニーなどの人気作家でさえもね。
60年代に入り、
戦後とても豊かになっていたアメリカが生んだポップ・アートの代表が、
ロイ・リキテンスタインと彼です。
作品については有名ものがいくつもあるので省略しますね。
レコードが主流だった時代には、ジャケットはとても重要なものでした。
音も知らずにジャケ買いもよくしました。
当たり外れもあったけどミュージシャンもレコード会社も今以上に拘っていたことは確かでしょう。
さて、写真をもう1度見てください。
バナナの皮がむけるんです。
最初に書いたとおり、レコード時代の初回限定でこのヴァージョンが出ていたそうです。
僕が持っていたものはTシャツのプリントのようなものでした。
CDになって買いなおしましたがやはりプリントです。
それが、21世紀になってから「DELUXE Edition」になり
2枚組オリジナルジャケットになって発売されたのです。
CDサイズでもそのユーモアセンスは充分伝わります。
同じような例でウォーホールの作品で、
ローリング・ストーンズのスティッキー・フィンガーズがあります。
これはジーンズの腰周りのアップのジャケットです。
ところが、紙にホンモノのファスナーが付いていて下ろすと白いブリーフに
「Andy Warhol」と書いてあります(笑)
これも、似たような流れでCDになってから手に入れました。
ですから、好きなアルバムはジャケット買いのようなもので2〜3枚持っていたりします。
今も素晴らしいジャケットのCDはたくさん出ていますが、
配信が主流になってきている現在ジャケットは「無用の長物」になりつつあります。
その傾向はこれから先さらに進むでしょう。
それは止めることはできませんが、
僕にとってはとても寂しいことです。
ミュージシャン、レコード会社、プロデューサー、カメラマン、デザイナー・・・etc.
がコラボしてひとつの作品を作っていた時代。
お互いが刺激をうけながら、発想がクロスオーバーしてできる作品。
素敵ですね。
昨日、配信のみの作品の多さに驚きました。
と同時にひとつの時代の終焉を肌で感じました。
それでも僕にとって、
「ジャケット」はいつまでも残したい文化であることに間違いありません!!
☆鈴木正美☆
BGM Sweet Little Sixteen / John Lennon / Rock 'n' Roll